子供の頃に誰もが考えたことがあるであろう疑問「どうして海はしょっぱいのか?」。
おそらく100%に近い人が一度は持ったことのある疑問ではないでしょうか?
しかし、海がしょっぱい理由を答えられる人はほとんどいないんじゃないかと思います。
自分もその一人で、いつのまにか海がしょっぱいのは当たり前のことだと処理して、その原因や理由には気を留めなくなってしまうんですよね。
今回はそんな海がしょっぱい理由や原因を紹介いたします!
なぜ海はしょっぱいのか?
なぜ海がしょっぱいのか?それは塩素とナトリウムが結びついた塩化ナトリウムが海の水の中に含まれているからです。
塩化ナトリウムは簡単に言うと「塩」となります。
そのため海の水は塩辛く、人間はそんな海から塩をつくり、大昔から食事にはかかせない調味料として使用していました。
海の塩分濃度は約3.5%で、汗の塩分濃度が約0.4%、味噌汁の塩分濃度が0.8%~1%ということを考えると非常に高いことが分かりますね。
ちなみに塩分濃度が高くて有名な中東にある塩湖「死海」は塩分濃度30%となっています。
塩は水よりも比重が重いため塩の溶けた海は淡水よりも浮力が高く、塩分濃度30%にもなると浮き輪無しで浮きながら本が読めるくらいだそうです。
塩分濃度が高すぎて魚類が生息できないため、死海という名前の由来になっています。
海が塩辛くなった原因
海がしょっぱい理由は塩化ナトリウムが含まれているからということが分かりました。
では海に塩化ナトリウムが含まれるようになった原因は何なんでしょうか?
実は海が誕生してから40億年が経過した現代でもその原因は解明されていないのです。
今でも海がしょっぱくなった原因については研究されている途中ですが、様々な説が唱えられています。
その中でも有力とされているの2つの説があるので紹介します。
塩素ガスが溶けて海になった説
地球は今から46億年前に無数の微惑星が衝突によって融合、成長したことで誕生します。
その時の地球は微惑星の衝突エネルギーによって岩石が溶け、溶岩の海に覆われていました。
地球は溶岩の熱と空気中に含まれる二酸化炭素の温室効果によって高温状態であり、水分は全て水蒸気となって大気中にありました。
そして地球の温度が下がり溶岩も固まりだすと、空気中に存在した水蒸気も冷やされ雨となって降り出し、海が誕生します。
この時、空気中には大量の塩素ガスが含まれており、降り注いだ雨には空気中にあった塩素ガスが溶けていたため海が塩辛くなったというのがこの説です。
地殻に含まれる塩素やナトリウム溶けだした説
もうひとつの説は陸地ができてから、岩や土に含まれる塩素やナトリウムが雨に溶かされ海に流れることで、徐々に塩分濃度が高くなっていったという説です。
海は常に蒸発していますが、蒸発するのは水分だけです。
海へ溶けだした塩化ナトリウムはそのまま海に残り、水分だけが蒸発することでその水分が雨となって降り注ぐとさらなる塩素とナトリウムを溶かして海へ戻っていくことになります。
これが何億年と繰り返されることで、海の塩分濃度が徐々に高くなっていったというのがこの説です。
海ができた当時の海水は酸性だったために、この酸性の海水と雨が地殻を溶かすことができたので、塩分濃度を高める結果になりました。
2つの説を紹介しましたが、今ではこの2つの説の両方が相まって海が塩辛くなったと考えられています。
現在の海水は地殻に含まれるアルカリ金属・アルカリ土類金属などによって、中和され中性となっているので地殻を溶かす力はほとんどありませんが、わずかながらは溶かし続けており、塩分濃度は徐々に上昇しているとされています。
まとめ
・海がしょっぱい理由は海水に塩化ナトリウムが含まれているため。
・海に塩化ナトリウムが含まれるようになった原因は正確に解明されていない。
・塩素ガスが溶けて海になった説と地殻に含まれる塩素やナトリウム溶けだした説の2つが有力とされている。