MT原付の人気車種エイプ50の最高速度はどれくらい?最高速を上げるカスタム方法。

ホンダを代表するMT原付「エイプ50」!

5段トランスミッションを備えており、原付ながらも自分でシフトチェンジしてバイクを動かすという楽しさを味わえるバイクです。今回はそんなエイプ50のスペックや気になる最高速、実際走ってみて分かった燃費などを紹介いたします。

 エイプ50とはどんなバイク?

エイプという名前は、日本語にすると「類人猿」という意味で、人間に近い類人猿ということから、いつでも気軽に乗れる身近なバイクといった意味が名前に込められているようです。空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載していて、最高出力は3.7PS/8,000rpm、最大トルクは0.37kgf・m/6,000rpmです。

エンジン始動方式にセルスターターはついておらず、キックでの始動のみとなっています。僕自身はキックでの始動は好きなんですが、気軽に乗るには少し面倒くさく感じる人もいるかもしれません。

50ccのエイプには2001年から発売された「エイプ50」と2008年から派生車種として販売が開始された「エイプ TypeD」があります。違いとしてはエイプ50が前後ドラムブレーキ、鉄製のホイールであるのに対し、エイプ TypeDは前後ディスクブレーキ、アルミニウム製キャストホイールとなっています。「エイプ TypeD」が上位グレードという感じですね。

ちなみに最高出力や最大トルクは同じで、「エイプ TypeD」の方が車体重量は2kgほど軽くなっています。

上写真が鉄製ホイール&ドラムブレーキの「エイプ50」

前後ディスクブレーキ&アルミキャストホイールの「エイプ TypeD」

◆基本スペック

2017年モデル

メーカー ホンダ エンジンタイプ 空冷4ストロークOHC単気筒
モデル名 エイプ50 エンジン始動方式 キック式
タイプ・グレード 最高出力 3.7PS/8,000rpm
動力方式 最大トルク 0.37kgf・m/6,000rpm
型式 JBH-AC16 車体重量(乾燥重量)
排気量 49cc 車体重量(装備重量) 84kg
発売開始年 2017年 パワーウエイトレシオ
燃料消費率 93.0 (30km/h定地走行テスト値) 全長・全高・全幅 1710mm × 970mm × 770mm
燃料タンク容量 5.5リットル シート高 715mm
航続可能距離 511.5km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/80-12 55J
燃料供給方式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> リアタイヤサイズ 120/80-12 55J

最高速はどれくらい?

最高速度は理論上

最大馬力発生回転数(rpm)÷総減速比×リアタイヤ外周(mm)÷1000000×60=最高速度(km/h)

上記の式でで求めることができます。

ノーマルのエイプ50のスペックでこの計算式に当てはめてみると理論上では約53.6km/hを出すことが可能です。

実際には空気抵抗や路面の状態、タイヤの精度、ライダーの体重などによって左右されるので、上記の最高速度を出すことは難しいと思います。しかし、最大馬力発生回転数はエンジンを弄ったり、キャブレター、CDI、チャンバーなどの変更によって上げることは可能ですし、スプロケットの丁数を変え、二次減速比を変更することによって、総減速比が変えることができるのでカスタム次第では簡単に最高速を伸ばすことが可能です。

最高速を伸ばしたいときは、通常60km/hくらいでリミッターがかかってしまうため、CDIは必ず交換してリミッターカットを行っておきましょう。

最高速を上げるおすすめカスタム方法!

◆社外CDI(リミッターカット)

カスタムを行う際に必ず変えておきたいのがCDIです。CDIは簡単に言うとスパークプラグを点火させる装置であり、ノーマルのCDIではスピードリミッターが付いているため、60km/h以上のスピードが出ないように点火タイミングを遅らせたり、電気信号を止めたりしています。そこで、社外品のCDIに変更することでスピードリミッターを解除することができます。

さらに、CDIの変更はリミッターをカットするだけではなく、点火特性を変更することによって、ノーマルよりも出力特性を向上することが可能です。カプラーオンで取り換え可能なので誰でも簡単にカスタムすることができます。



CF POSH CF ポッシュ/レーシングC.D.I. スーパーバトル エイプ50

◆スプロケット丁数変更

スプロケットの丁数を変更することでも、最高速を伸ばすことが可能です。

スプロケットはフロント側(ドライブスプロケット)とリア側(ドリブンスプロケット)があります。ドリブンスプロケットは丁数を減らすことで最高速を上げることができ、逆に丁数を増やすと加速力が上がります。

フロントのドライブスプロケットは丁数を1丁変えるだけでリア側よりも特性が大きく変わってしまうので、細かく調整したい場合はリア側のほうが調整しやすいとは思います。ちなみにフロントのドライブスプロケットはリア側とは逆で丁数を増やすことで最高速が上がります。

例えば、エイプのノーマル状態でのリア側ドリブンスプロケットの丁数は46丁ですが3丁減らした43丁にすることで最高速が約53.6km/hから約57.3km/hほどまで上げることが可能です。フロント側のドライブスプロケットはノーマルで14丁、3丁上げた17丁にすると最高速が約65.0km/hまで上がることになります。

しかし、スプロケで最高速寄りに変更しすぎると、加速力が非常に落ちてしまうのでバランスが重要で注意が必要です。



MINIMOTO ミニモト/スーパーライトフロントスプロケット NSR50



キタコ KITACO/ドリブンスプロケット (リア) CB50

◆ボアアップ

最高速を上げる最も直接的な方法がボアアップです。エンジンの総排気量を上げてしまう方法ですね。ボアアップキットなどでシリンダーの直径を拡大したものに交換し、ピストンも交換することで排気量を上げます。

ボアアップをすると原付の制限速度30km/hを守らなくてもよくなる点もメリットのひとつです。

市役所において、改造登録証明にてボアアップしたことを届け出る必要があります。

まとめ

エイプ50、エイプ TypeDともに計算上での最高速度は約53.6km/hということになりました。エイプに乗っている友人に聞いてもだいたいこのくらいのようです。

原付の中でのこの数値は決して遅くはありませんが、速くもない感じですね。排ガス規制によって、4ストロークエンジンの時代に入った現在ではこのくらいの馬力やスピードが普通くらいですが、原付でもある程度の最高速度が欲しい!という方には1980年~1990年代の2ストロークエンジン搭載の車種のほうが良いかもしれません。最高出力7.2馬力を発揮する車種ではノーマルでも100km/h近いスピードを出すことが可能です。

エイプもボアアップなどのカスタムを行えばそのくらいの最高速度も不可能ではないですが、最高速を求めるようなバイクではないかもしれませんね。

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