ホンダを代表する空冷4ストロークオフロードバイクのXRシリーズ。その中でも最小排気量モデルなのがXR50モタードです。
50ccという原付ながらもモタードという他にはないジャンルで人気も高いです。排ガス規制なので2007年に生産終了となってしまいましたが、今回はそんなXR50モタードのスペックやおすすめカスタム、魅力などを紹介します!
XR50モタードのスペック
ホンダのXRシリーズはもともと海外でのミニモトクロスへのレース用車両として販売されていました。いくつか排気量別のモデルが販売されたものの減速は公道で走ることのできない競技専用モデルであったんですが、人気が高かったことから、公道モデルをリリースし、日本では1995年に公道走行可能モデルであるXR250・XR BAJAが販売されました。
XR BAJA
その後も排気量別で様々なシリーズ展開がされましたが、2012年をもって後継モデルであるCRFに引き継ぐ形で生産終了となりました。
XR50モタードはそんなXRシリーズの最小排気量モデルとして2005年から販売されました。エンジンやフレーム、コンポーネンツなどの基本構造は当時のエイプ50と同じになっており、外装はもちろんですが、前後のブレーキがシングルディスク化してあり、スイングアームを40mm延長、6本スポークタイプのアルミキャストホイールなど、モタードバイクに寄せた変更が実施されています。
排ガス規制に対応させることなく2007年で生産終了となり、後継モデルとしては「エイプ TypeD」となっています。
ちなみに他のXRシリーズはオフロードモデルとモタードモデルの2種類がラインナップされているものもありますが、XR50はモタードタイプのみです。
XR50モタード
メーカー ホンダ エンジンタイプ 空冷4ストロークOHC単気筒 モデル名 XR50モタード エンジン始動方式 キック タイプ・グレード – 最高出力 3.3ps(2.4kw)/8000rpm 動力方式 – 最大トルク 0.33kg・m(3.2N・m)/5000rpm 型式 AD14 車体重量(乾燥重量) 79kg 排気量 49cc 車体重量(装備重量) 83kg 発売開始年 2006年 パワーウエイトレシオ 23.9kg/PS 燃料消費率 86.0 km/L ( 30 km/h走行時) 全長・全高・全幅 1785mm × 1000mm × 765mm 燃料タンク容量 5.7リットル シート高 – 航続可能距離 490.2km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/80-12 65J 燃料供給方式 キャブレター リアタイヤサイズ 120/80-12 65J
最高速度はどれくらい?
最高速度は理論上
上記の式でで求めることができます。
この計算式で求めるとノーマルのXR50モタードではで理論上で約54km/hを出すことが可能です。
実際には空気抵抗や路面の状態、タイヤの精度、ライダーの体重などによって左右されるので、上記の最高速度はまず出すことはできません。
少しもの足りないスピードに感じる方も多いかと思いますが、4ストローク原付の中ではめちゃくちゃ遅いというわけでもありません。
最大馬力発生回転数はエンジンを弄ったり、キャブレター、CDI、チャンバーなどの変更によって上げることは可能ですし、スプロケットの丁数を変え、二次減速比を変更することによって、総減速比が変わり最高速度を伸ばすことが可能です。
おすすめカスタム!
◆スプロケット丁数変更
簡単に最高速伸ばしたり、加速力をアップしたいのであれば、スプロケの丁数変更がおすすめです。
スプロケットはフロント側(ドライブスプロケット)とリア側(ドリブンスプロケット)があります。
ドリブンスプロケットは丁数を減らすことで最高速を上げることができ、逆に丁数を増やすと加速力が上がります。
フロントのドライブスプロケットは丁数を1丁変えるだけでリア側よりも特性が大きく変わってしまうので、リア側のほうが調整しやすいとは思います。
ちなみにフロントのドライブスプロケットはリア側とは逆で丁数を増やすことで最高速が上がります。
例えば、XR50モタードのノーマル状態でのリア側ドリブンスプロケットの丁数は46丁ですが3丁減らした43丁にすることで最高速が約53.6km/hから約57.3km/hほどまで上げることが可能です。
フロント側のドライブスプロケットはノーマルで14丁、3丁上げた17丁にすると最高速が約65.0km/hまで上がることになります。
しかし、スプロケで最高速寄りに変更しすぎると、加速力が非常に落ちてしまうのでバランスが重要で注意が必要です。
キタコ KITACO/ドリブンスプロケット (リア) NS-1
キタコ KITACO/ドライブスプロケット (フロント) CL50
◆リアキャリア
この手の原付バイクにはメットインもなく積載能力はほとんどありません。
特にXR50モタードはテールも細くてシートバックなども取り付けが難しく、タンクバックも取り付けができないものも多いです。そんな中で、少しでも積載能力をお向上させるのに便利なのがリアキャリアです。
取り付けもボルトオンで簡単でキャリアをつけることによって、シートバックなども安定して載せることが可能なので、買い物やツーリングでも便利です!
◆ ロングリアショックアブソーバー
大型バイク用であればなかなか高価で手が出しにくいリアショックですが、原付用なので1万円ちょっとで購入可能です。
おすすめなのがSP武川の5mmロングリアショックアブソーバー。5mmだけロングなので若干のケツ上がり姿勢になります。純正と比べるとマイルドになり、乗り心地は非常に良くなります。
スプリングのブルーカラーも映えて、ドレスアップ性もいいですよ。
SP武川 SPタケガワ/5mmロングリアショックアブソーバー XR100モタード
◆ボアアップキット
全体的にパワーアップをするのに最適なのがボアアップで排気量を上げることです。
おすすめなのが【SP武川ハイパーSステージボアアップキット80cc】です。ボアアップに必要なシリンダーやピストンが付属されていることはもちろんなんですが、DENI 18キャブレターキット、ドリブンスプロケット35T、スパークプラグ(CR8HSA)なども付属されており、このキットだけでかなりの馬力アップが期待ができます。
価格は4万円ほどとけっこう高めですが、価格に見合った価値はあると思います。
SP武川 SPタケガワ/ハイパーSステージボアアップキット80cc XR50モタード
◆ レーシングC.D.I.
CDIは簡単に言うとスパークプラグを点火させる装置であり、ノーマルのCDIではものによってはスピードリミッターが付いているため、60km/h以上のスピードが出ないように点火タイミングを遅らせたり、電気信号を止めたりしています。
そこで、社外品のCDIに変更することでスピードリミッターを解除することができます。
さらに、CDIの変更はリミッターをカットするだけではなく、点火特性を変更することによって、ノーマルよりも出力特性を向上することが可能です。
カプラーオンで取り換え可能なので誰でも簡単にカスタムすることができます。
CF POSH CF ポッシュ/レーシングC.D.I. スーパーバトル エイプ50
まとめ
XR50モタードは原付には数少ないモタードというジャンルで、基本設計はエイプと同じながらも、オフロード向きにスイングアームが長く設計されたりしているので、スピードやトルクは物足りなく感じることもあるかもしれませんが、ちょっとしたオフロード走行であれば十分に楽しめるので遊びの幅が広がるおもしろい原付バイクだと思います!