冬の代名詞と言えば「雪」を思い浮かべる方も多いと思いますが、雪(ゆき)と雹(ひょう)と霰(あられ)の違いは何かと聞かれると答えられる人は少ないんじゃないでしょうか?
ふわふわなのが雪で、固い氷の粒みたいなのが雹と思っている人も多いはず。
間違ってはいないのですが、実は雪(ゆき)と雹(ひょう)と霰(あられ)には基準があるんです!
今回はそんな3つの違いについてお話しします。
雪(ゆき)と霰(あられ)と雹(ひょう)の違い!
この3つの違いを簡単に説明すると
雪は「氷の結晶」であり、霰(あられ)と雹(ひょう)は「氷の粒」であるという点です。
雪はよく見ると綺麗な結晶の形をしてますよね。
雪はこの規則性のある結晶構造のために空気を多く含んでいる密度が比較的低い状態のためふわふわなんです。
対して、霰(あられ)や雹(ひょう)は規則性のない結晶から構成されるため空気をあまり含まず密度が高い状態、氷のような状態で降ってきます。
そして、霰(あられ)と雹(ひょう)は氷の粒の大きさで区別されています。
氷の粒が5mm以下の場合が霰(あられ)で、5mm以上のものが雹(ひょう)とされています。
雪(ゆき)が降るメカニズム
雲は水蒸気を含んでいるので、上空の気温が低いと大気中の微粒子を核として氷晶と呼ばれる氷の結晶が生まれます。
ちなみに、多くは大気中のチリ・ホコリ・花粉などが核として氷の結晶になるとされているので、雪を食べない方が良いとされています。
ここでできた氷晶はまだまだ小さな状態(0.01mm以下)なんですが、氷晶の周りの水蒸気が氷晶表面へと昇華し始め、氷晶が大きくなっていきます。
ある程度大きくなって重さが増し、上昇気流の速度に対して落下の速度が打ち勝つようになると落下を始めるんです。
これが雪であり、落下途中で他の雪と衝突して、くっついたりすることで雪片となったりもします。
湿度によっても異なりますが、0度よりも気温が高いと雪は解けて雨として地上に降ることになり、地上付近で雪が解け始める場合は雪と雨が混ざった霙(みぞれ)という状態になります。
霰(あられ)や雹(ひょう)が降るメカニズム
霰(あられ)や雹(ひょう)ができるのも雪と途中までは一緒で雲の中で氷晶ができるところから始まります。
しかし、積乱雲などの上昇気流が強い雲の中で氷晶ができた場合、大きな氷晶となっても落下せずに浮遊を続けることになります。
雲の中で落下し、再び上昇気流で押し上げられ、雲の中で上下運動を続けることで氷晶や雪片は雲の中にある細かい水や氷の粒と衝突し、氷の結晶が大きく成長していくんです。
そして、上昇気流よりも落ちる速度が速くなるとようやく落下してきます。
上昇気流が強く長い時間雲の中で浮遊している氷晶ほど大きくなっていくので、中には数センチにまで雹(ひょう)が成長する場合もあります。
5cmを超える雹は時速100km以上の速度で地上に降り注ぐことになるので、まさに自然の脅威です。
世界最大の雹(ひょう)は何センチ?
雪(ゆき)と霰(あられ)と雹(ひょう)の違いについてお話ししましたが、雹は最大で何センチになるのか気になりませんか?
公式に記録されている雹で最も直径が大きいものはアメリカのサウスダコタ州ライマン郡ビビアンで2010年7月23日に記録されたもので、何と20cmの大きさです。
しかし、実は公式ではないものの、記録が残っているものでの世界最大は日本に降った雹なんです。
その大きさは直径29.6cm重さにして3.4kgというとんでもない大きさ。
そんな大きさの雹を見てみたいとも思いますが、これだけ大きいと被害も莫大で日本でも過去何度も雹害が発生しています。
負傷者はもちろん、死者や家屋倒壊など雹は恐ろしい自然災害のひとつなんです。
そのため上空にソニックブームを発射して雹の発生を抑える装置が考案され利用されていたりするようです。
まとめ
雪(ゆき)は規則性のある結晶構造で空気を多く含んでいる密度が比較的低い状態の「氷の結晶」。
霰(あられ)と雹(ひょう)は規則性のない結晶から構成される空気をあまり含まず密度が高い状態の「氷の粒」。
氷の粒が5mm以下の場合が霰(あられ)で、5mm以上のものが雹(ひょう)。
積乱雲などの上昇気流の強い雲の中で雪よりも長い時間、氷晶が浮遊し、大きく成長したものが霰(あられ)や雹(ひょう)として降り注ぐ!