秋の風物詩でもある栗。イガ栗が山に落ちていると秋だな~と感じますよね。
食べても美味しい栗ですが、自然にある栗は結構な高確率で穴があいていて、中に幼虫がいることもしばしば。
この幼虫は成長して成虫になるとどんな虫になるのでしょうか?
今回は栗の中で成長する虫について紹介いたします!
栗のなかにはどんな虫がいる?
スーパーなどで売っている栗は虫の混入確率は少ないほうなんですが、それでも栗は虫が入っていることが多い木の実です。
特に自然の中で栗拾いなどで集めた栗には結構な高確率で虫が入っていますね。
栗の中にいる虫は主に2種類で蛾の「クリミガ」とゾウムシの「クリシギゾウムシ」が有名です。
どちらも栗の中で実を食べて成長するので名前にもクリが入っていて、栗の害虫として知られています。
クリミガ
クリミガは別名クリオオシンクイとも言われており、基本的に日本のどこにでも生息しています。
クリミガは栗がまだ成長していない時期に葉やイガに卵を産み落とします。
9月中旬から下旬に孵化した幼虫は自ら栗の皮を食い破って中に侵入し、中で栗の実を食べて育ちます。
幼虫は秋になると成虫になる前に栗から脱出し、落ち葉の下や土の中で越冬して翌年の7月~9月ごろになって初めて羽化して成虫となります。
食い破った栗の穴は綺麗な穴ではなく、いびつなのが特徴で、幼虫は栗の外に糞をするので栗に白い粉のような糞が付いていることがあります。
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幼虫は約2cmで身体は黄色っぽい乳白色、頭はこげ茶色です。
成虫になると体長は1cm、羽を広げると2cmほどで、羽は白色に黒色の斑模様の蛾となります。
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クリシギゾウムシ
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クリシギゾウムシはその名の通り、象の鼻のような長い口を持った昆虫で、体長は1cmほどです。
オスの口が3.5mmほどなのに対してメスの口は8mmほどの長さにまでなるのが特徴。
成虫は8月上旬から10月下旬にかけて出没し、その長い口を栗のイガの隙間から渋皮に達するまでの穴を空けて2~8個ほどの卵を産み付けます。
メス1匹につき、10個ほどの栗に攻撃するようです。
卵を産みつけた栗は穴が空いているので見分けがつくのですが、栗が育つにつれて穴が塞がってしまうので穴も有無だけでは食害された栗なのかは見分けがつきません。
卵は10日ほどで孵化してクリミガよりも綺麗な乳白色をした幼虫になります。
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丸まるので見た目はカブトムシの幼虫みたいな感じですね。
体長は1cmを超えるくらいにまで成長し、10月下旬~12月上旬ごろになると3mmほどの穴を空けて実から脱出し、土の中で蛹室を作って越冬。
7月~10月までそのままの状態で過ごしてサナギになります。
サナギになればその年に羽化するものもいればそのまま1,2年経過してからようやく羽化するものもいるようです。
栗に空いた穴はクリミガよりも綺麗な円形の穴になっているのが特徴で、クリシギゾウムシが食害した栗は表面が黒く変色するので色が変わっている栗には注意しましょう。
虫に食われた栗は食べれるの?
虫に食害された栗は穴が空いているものは見分けがつきますが、塞がっているとなかなか見分けがつきません。
穴が塞がっているもので中身が食べられていると水に浮かびますので、栗を水のなかに入れて沈むものだけを使えばある程度の判別が可能です。
それでも100%ではないので注意してください。
基本的に虫を取り除けたとしても、被害にあっている栗は食べない方が良いでしょう。
しかし、クリミガやクリシギゾウムシの幼虫は昆虫食として食べられている虫でもあるので、最悪食べてしまっても問題はないでしょう。笑
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