原付のトライアルバイクTLM50。トライアル走行から公道でのツーリングも楽しめるホンダの希少バイクです。
今では排ガス規制でみることも少なくなった2ストロークエンジンを搭載し、おもしろい遊べるバイクに仕上がっています。
今回はそんなTLM50のスペックやおすすめカスタムなどを紹介いたします。
TLM50とはどんなバイク?
TLM50はホンダが1983年に発売した原付トライアルバイクであり、「TL」という商標がホンダが製造販売したトライアル用オートバイシリーズのことを言います。
50ccの原付モデルながらも125cc、200ccモデルとさほど変わらない大柄な車体で、ホンダのMBX50と同系統の空冷2サイクルエンジンを搭載しています。
最高出力は 4.8ps(4.0 kw)/7000rpmと控えめですが、ホンダトルク増幅共鳴管のHERPが装着され、低速では粘りのあるトルクを発揮。
ハンドルの切れ角度は左右62度で、前タイヤが21インチ、後タイヤが18インチと原付とは思えない大径ホイールを履いていることもあり、本格的なトライアル走行を楽しめます。
前後共にドラムブレーキで古い車種ということもあり、リアショックはツインサスとなっており、ストローク幅があまりないため、大きな衝撃であればフルボトムしてしまう恐れもありますが、一応ショックの吸収性能は5段階から調整可能になっています。
◆TLM50のスペック
メーカー | ホンダ | エンジンタイプ | 空冷2スト・ピストンリードバルブ単気筒 |
---|---|---|---|
モデル名 | TLM50 | エンジン始動方式 | プライマリーキック |
タイプ・グレード | – | 最高出力 | 4.8ps(4.0 kw)/7000rpm |
動力方式 | – | 最大トルク | 0.52kg・m(5.1N・m)/6500rpm |
型式 | AD07 | 車体重量(乾燥重量) | 73kg |
排気量 | 49cc | 車体重量(装備重量) | 78kg |
発売開始年 | 1983年 | パワーウエイトレシオ | 15.2kg/PS |
燃料消費率 | 60.0(30km/h定地走行テスト値) | 全長・全高・全幅 | 1985mm × 1070mm × 825mm |
燃料タンク容量 | 4.0 | シート高 | 750mm |
航続可能距離 | 240km | フロントタイヤサイズ | 2.50-21-4PR |
燃料供給方式 | キャブレター | リアタイヤサイズ | 3.50-18-4PR |
おすすめカスタムパーツ
TLM50は純正パーツやカスタムパーツなど専用のものはほとんどありません。
他の車種のものを取り付けなければならないものも多くあります。
そんな中でおすすめできるカスタムパーツを紹介します。
◆社外CDI(リミッターカット)
カスタムを行う際に必ず変えておきたいのがCDIです。
CDIは簡単に言うとスパークプラグを点火させる装置であり、ノーマルのCDIではスピードリミッターが付いているため、60km/h以上のスピードが出ないように点火タイミングを遅らせたり、電気信号を止めたりしています。
そこで、社外品のCDIに変更することでスピードリミッターを解除することができます。
さらに、CDIの変更はリミッターをカットするだけではなく、点火特性を変更することによって、ノーマルよりも出力特性を向上することが可能です。
しかし、TLM50には専用の社外CDIが販売されていません。
基本設計が同じであるNSR50用のCDIが取り付け可能なようです。
CF POSH CF ポッシュ/レーシングC.D.I. スーパーバトル NSR50
◆ スプロケット丁数変更
TLM50は最高出力が4.8ps(4.0 kw)/7000rpmと非力で、最高速が非常に遅く公道走行がなかなか厳しい面があります。
そこで、スプロケットの丁数を変更することで、最高速を伸ばすことが可能です。
スプロケットはフロント側(ドライブスプロケット)とリア側(ドリブンスプロケット)があります。
ドリブンスプロケットは丁数を減らすことで最高速を上げることができ、逆に丁数を増やすと加速力が上がります。
フロントのドライブスプロケットは丁数を1丁変えるだけでリア側よりも特性が大きく変わってしまうので、細かな調整であればリアスプロケットの変更がおすすめです。
ちなみにフロントのドライブスプロケットはリア側とは逆で丁数を増やすことで最高速が上がります。
TLM50のノーマルスプロケットの丁数は、フロントが12丁、リアが55丁です。
しかし、スプロケで最高速寄りに変更しすぎると、加速力が非常に落ちてしまうのでバランスが重要で注意が必要です。
丁数によってはチェーンも交換する必要があります。
キタコ KITACO/ドライブスプロケット (フロント) CL50
◆タイヤ変更
TLM50のような非力なトライアルバイクであれば、タイヤ交換は非常に有効です。
馬力やトルクでゴリ押しできれば良いのですが、それができないのでグリップの効くタイヤを選択する必要があります。
純正タイヤでは登れない場所でもタイヤを変えるだけで登れてしまったりするので、トライアル走行を楽しみたい方には非常におすすめです。
DUNLOP ダンロップ/K950 【4.00-18 4PR (64P) WT】 タイヤ CB750
まとめ
TLM50は純正パーツもカスタムパーツもほとんどなく、維持や整備が大変になるかもしれません。
しかし、2ストローク50ccのトライアルバイクという、他にはない希少なバイクであり、このバイクでしか味わうことができない楽しさが詰まったバイクだと思います。