数あるバイクの中でも数少ない3気筒エンジンを搭載したバイク。
小排気量バイクではコストの削減やコンパクト化に適した単気筒エンジン。大型スポーツバイクでは高回転で回せる4気筒DOHCエンジンやV4エンジンなどが主流になりつつあり、アメリカンバイクでは大型バイクでも低回転でトルクフルな2気筒エンジンが主流です。
中途半端とも言われる3気筒エンジンですが、4気筒と比べるとトルクが高く、コンパクトでマスの集中化を図れるなどのメリットもあり、独特なエンジン音なども魅力的です。
最近ではMoto2のエンジンがトライアンフの3気筒エンジンになったことでも注目を集めていますね。
今回はそんな3気筒エンジンを搭載したおすすめバイクを紹介します!
MT-09(YAMAHA)
2014年にヤマハから発売されたMT-09は4ストローク水冷DOHC4バルブ直列3気筒120°クランクエンジンを搭載した大型バイクです。
3気筒エンジンの特徴を生かし、トルク感を重視したクロスプレーンコンセプトに基づいたエンジンとなっています。また、3気筒エンジンのコンパクト性も生かされており、車両の軽量化やダウンサイジングが図られ、車重や大きさは400ccの中型バイクほどでありながら大型バイクの馬力を持つという3気筒ならではのバイクです。
メーカー ヤマハ エンジンタイプ N711E・水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ モデル名 MT-09 エンジン始動方式 セルフ式 タイプ・グレード – 最高出力 116PS/10,000r/min 動力方式 – 最大トルク 8.9kgf・m/8,500r/min 型式 2BL-RN52J 車体重量(乾燥重量) – 排気量 845cc 車体重量(装備重量) 193kg 発売開始年 2020年 パワーウエイトレシオ – 燃料消費率 29.4km/L(60km/h) 2名乗車時 全長・全高・全幅 2075mm × 1120mm × 815mm 燃料タンク容量 14.0リットル シート高 820mm 航続可能距離 411.6km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/70ZR17M/C (58W) 燃料供給方式 フューエルインジェクション リアタイヤサイズ 180/55ZR17M/C (73W)
MT-09 トレーサー(YAMAHA)
MT-09 トレーサーは前期のMT-09のバリエーション拡大として、スポーツ性を重視し、大型の風防が装備されツアラーのようなデザインとなっています。
トラクションコントロールが標準装備され、弱・強・OFFと3つのモードから選択できるようになっています。
後にトレーサー900に車名を変更。
メーカー ヤマハ エンジンタイプ 水冷、4ストローク、DOHC、4バルブ、直列3気筒 モデル名 MT-09 トレーサー エンジン始動方式 セルフ式 タイプ・グレード – 最高出力 116PS/10,000r/min 動力方式 – 最大トルク 8.9 型式 2BL-RN51J 車体重量(乾燥重量) – 排気量 847cc 車体重量(装備重量) 210kg 発売開始年 2017年 パワーウエイトレシオ – 燃料消費率 27.8km/L(60km/h) 2名乗車時(国土交通省届出値定地燃費値) 全長・全高・全幅 2160mm × 1345mm × 950mm 燃料タンク容量 18.0リットル シート高 845mm 航続可能距離 500.4km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/70ZR17M/C (58W) 燃料供給方式 フューエルインジェクション リアタイヤサイズ 180/55ZR17M/C (73W)
XSR900(YAMAHA)
「グッドデザイン賞 2016:ベスト100」「オートカラーアウォード2016 特別賞」「JIDAデザインミュージアムセレクションVol.18」「iF Design Award 2017」「Red Dot Award 2017:best of the best」「International Design Excellence Awards 2017:finalist」「German Design Award」など様々な賞を受賞しているXSR900も3気筒エンジンを搭載したバイクの1台です。
レトロ感じがありながらも未来的でもあり、唯一無二のデザインです。
エンジンはMT-09と共通で、フレームや前後サスペンションも基本構造は同じながらも、サスのセッティングやハンドル位置、シート位置などは変更され、まったく別物のバイクに仕上がっています。
メーカー ヤマハ エンジンタイプ N711E モデル名 XSR900 エンジン始動方式 セルフ式 タイプ・グレード – 最高出力 116PS / 10,000r/min 動力方式 – 最大トルク 8.9 型式 2BL-RN56J 車体重量(乾燥重量) – 排気量 845cc 車体重量(装備重量) 195kg 発売開始年 2020年 パワーウエイトレシオ – 燃料消費率 29.4km/L(60km/h) 2名乗車時 全長・全高・全幅 2075mm × 1140mm × 815mm 燃料タンク容量 – シート高 830mm 航続可能距離 – フロントタイヤサイズ 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス) 燃料供給方式 フューエルインジェクション リアタイヤサイズ 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
NIKEN:ナイケン(YAMAHA)
二輪業界に衝撃が走ったヤマハの三輪バイク。前輪が2輪、後輪が1輪というリーニングリバーストライクで、普通のトライクなどの後輪が二輪の3輪バイクとは違い、バンクすると前輪が連動して動くので、通常の2輪バイクと同じようにライディングが可能。
ナイケンの名称は2つの剣を意味するようで、2つの前輪を二刀流として表現しているようです。
メーカー ヤマハ エンジンタイプ N714E モデル名 NIKEN エンジン始動方式 セルフスターター タイプ・グレード – 最高出力 116ps/10,000r/min 動力方式 – 最大トルク 8.9kgf/8,500r/min 型式 2BL-RN58J 車体重量(乾燥重量) – 排気量 845cc 車体重量(装備重量) 263kg 発売開始年 2020年 パワーウエイトレシオ – 燃料消費率 26.2km/L(60km/h) 2名乗車時 全長・全高・全幅 2150mm × 1250mm × 885mm 燃料タンク容量 18.0リットル シート高 820mm 航続可能距離 471.6km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/70R15 56V 燃料供給方式 インジェクション リアタイヤサイズ 190/55R17 75V
DAYTONA MOTO2 765:デイトナ765(トライアンフ)
2019年からMoto2でのエンジンサプライヤーがトライアンフになったことから、Moto2でのエンジンをベースとして限定発売されたのが3気筒エンジン最強といっても過言ではないスペックを有するDAYTONA MOTO2 765です。予約完売となり、限定車でもあるのですでに手に入れることは難しいですが、3気筒バイクとしては外すことのできない1台です。
タイプ 水冷並列3気筒DOHC12バルブ 排気量 765 cc ボア 78 mm ストローク 53.38 mm 圧縮比 12.9:1 最高出力 130 PS @ 12,250 rpm 最大トルク 80 Nm @ 9,750 rpm システム マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射SAI付、電子制御スロットル エグゾーストシステム ステンレス製3-INTO-1エキゾーストシステム。ステンレス製アンダーボディプライマリーサイレンサー。アロー製チタンセカンドサイレンサー。 駆動方式 チェーン クラッチ 湿式多板 トランスミッション トライアンフシフトアシスト付き6速
STREET TRIPLE:ストリートトリプル(トライアンフ)
軽量でストリート、峠、サーキットなど幅広く走りを楽しめるトライアンフのロードスポーツモデル。
765ccという大型ながらも扱いやすい排気量で扱いやすく楽しめるバイクです。最上位モデルのRS、低車高モデルのR、スタンダードモデルのSがラインナップされています。
メーカー トライアンフ エンジンタイプ 水冷・DOHC・並列・3気筒・12バルブ モデル名 STREET TRIPLE RS エンジン始動方式 セルフスターター タイプ・グレード – 最高出力 123PS / 11,750rpm 動力方式 – 最大トルク – 型式 – 車体重量(乾燥重量) 188kg 排気量 765cc 車体重量(装備重量) – 発売開始年 2020年 パワーウエイトレシオ 1.5kg/PS 燃料消費率 – 全長・全高・全幅 – × 1085mm × 775mm 燃料タンク容量 17.4リットル シート高 825mm 航続可能距離 – フロントタイヤサイズ 120/70 ZR17 燃料供給方式 インジェクション リアタイヤサイズ 180/55 ZR17
SPEED TRIPLE:スピードトリプル(トライアンフ)
3気筒バイクを多くラインナップしているトライアンフの中でも最も有名なバイクがスピードトリプルじゃないでしょうか?
ミッションインポッシブル2でトム・クルーズが乗っていたことから一躍有名になったバイクで150馬力を生み出す1050ccの3気筒エンジンが生み出すパワフルな走りとサウンド、コーナリングABSやトラクションコントロールなどの最新テクノロジーも満載です。
メーカー トライアンフ エンジンタイプ 水冷・並列・3気筒・DOHC・12バルブ モデル名 SPEED TRIPLE RS エンジン始動方式 セルフスターター タイプ・グレード – 最高出力 150PS/10500rpm 動力方式 – 最大トルク – 型式 – 車体重量(乾燥重量) 189kg 排気量 1050cc 車体重量(装備重量) – 発売開始年 2018年 パワーウエイトレシオ 1.3kg/PS 燃料消費率 5.2L/100km 全長・全高・全幅 2075mm × 1070mm × 775mm 燃料タンク容量 15.5リットル シート高 825mm 航続可能距離 80.6km(概算値) フロントタイヤサイズ 120/70 ZR17 燃料供給方式 インジェクション リアタイヤサイズ 190/55 ZR17
TIGER 800:タイガー800(トライアンフ)
3気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデルのタイガー800シリーズ。5種類ものモデルがラインナップされており、オフロード性能が高められたモデルなど、自分の使用用途に応じて選択することができます。写真はオフロード仕様の中でトップスペックを誇るモデルであるTIGER 800 XCA。
タイガーシリーズは他にも900ccのTIGER 900シリーズ、1200ccのTIGER EXPLORERなどがあり、これらも3気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデルです。
メーカー トライアンフ エンジンタイプ 水冷・DOHC・並列・3気筒・12バルブ モデル名 TIGER800XCA エンジン始動方式 セルフスターター タイプ・グレード – 最高出力 95PS(70kW)/9,500rpm 動力方式 – 最大トルク – 型式 – 車体重量(乾燥重量) – 排気量 800cc 車体重量(装備重量) 208kg 発売開始年 2018年 パワーウエイトレシオ – 燃料消費率 – 全長・全高・全幅 – × 1390mm × 805mm 燃料タンク容量 19.0リットル シート高 840mm 航続可能距離 – フロントタイヤサイズ 90/90-ツュ21 燃料供給方式 マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射 リアタイヤサイズ 150/70 R17
ROCKET 3:ロケット3(トライアンフ)
3気筒バイクの中では最大の排気量を誇る2500ccのエンジンを搭載するロケット3。2500ccは量産型バイクとしても世界最大の排気量です。
221Nmという驚異的なトルクを誇り、加速性能も抜群です。車体は非常に大きいですが、ゆったりとした乗り心地でロングツーリングでも疲れることのない快適なライディングが楽しめます。
タイプ インライン3気筒、水冷、DOHC 排気量 2458 cc ボア 110.2 mm ストローク 85.9 mm 圧縮比 10.8:1 最高出力 167PS /165 bhp (123 kW) @ 6,000rpm 最大トルク 221Nm @ 4,000rpm システム ライドバイワイヤ式燃料噴射 エグゾーストシステム ステンレス製3-INTO-1ヘッダーシステム(ARROW製3本出しサイレンサー)/キャタライザー 駆動方式 シャフト、ベベルボックス クラッチ 油圧、トルクアシスト トランスミッション 6速
まとめ
3気筒エンジンを搭載したバイクは500SSマッハⅢやGT380、NS500など実は数多くの名車も生み出してきています。
3気筒バイクは少ないですが、最近ではヤマハが多くの3気筒モデルを投入しはじめており、これらのバイクは個性的なものが多く、間違いなく名車となっていくことでしょう。
昔から3気筒バイクを中心にラインナップしているトライアンフもおすすめですし、今回ははずしましたが、MVアグスタもF3などの3気筒バイクをラインナップしています。
中途半端といわれがちな3気筒エンジンですが、独特なサウンドや3気筒ならではのトルクと馬力のバランスなど、好きな人にははまるエンジンだと思います。